画像処理の基礎講座(目次)  画像処理・画像解析ソフトPopImagingの紹介

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1.画像の周波数特性の基礎

1−2.標本化信号

1−1では連続した実数値に対する三角関数について説明しましたが、画像は画素ごとに濃度値を持つ関数と考えることができ、各々の画素は0,1,2,...と整数値のみの飛び飛びの値をとることになります。従って、連続した実数を変数に持つ関数ではなく飛び飛びの値を変数に持つ関数を考える必要があります。そこでまず始めに連続時間を変数とした三角関数を一定時間間隔でデータを標本化したものについて考えてみます。

図1-4:標本化正弦関数、図5:正規化した標本化正弦関数

図1−4に周期T(角周波数Ω)の正弦関数をΔtの間隔で標本化した正弦関数を示します。ここで、Δtはサンプリング周期と呼びます。この図において、サンプリング周期間隔でにデータを標本化する時間(t)を

=nΔt  (n=0,1,2,...) … (1-10)

とすると、標本化した正弦関数(g(t))は

g(t)=sin(Ωt)=sin(nΩΔt) … (1-11)

で表されます。式(1-11)を見た場合、式の中にサンプリング周期が陽に現れてきますのでサンプリング周期が異なる標本化関数を取り扱う際、統一的に扱い難くなります。同様に、図1−4においてもサンプリング周期が異なる場合、標本化する時間(tn)が様々な値をとるため、この点でも取り扱いが複雑になります。

そこで、周期をサンプリング周期で正規化した標本化関数を考えてみます。図1−5に図1−4の標本化正弦関数をサンプリング周期で正規化したものを示します。周期をサンプリング周期で正規化した場合、正規化した周期(正規化周期:N)は

N=T/Δt … (1-12)

で表され、正規化角周波数(ω)は

ω=2π/N … (1-13)

で表されます。図1−5に示すように、正規化した標本化関数を利用すると変数をn(=0,1,2,...)として標本化関数を考えることができ、正規化した標本化正弦関数(g(n))は

g(n)=sin(ωn) … (1-14)

と表すことができます。従って、式(1-14)を用いればサンプリング周期が異なる標本化関数を同じように取り扱うことが可能になります。また、 式(1-11)、(1-14)を比べると式(1-14)は式(1-7)の変数tをnに、Ω(角周波数)をω(正規化角周波数)に置き換えたものに対応しますので、通常の連続した実数値を変数に持つ関数と同様な形式となり関数の取り扱いが非常に分かりやすくなります。従って、本文では標本化関数に関しては以降特別な理由がない限りはサンプリング周期で正規化した標本化関数を利用することにします。

正規化した標本化関数を利用する場合、次の2点に留意する必要があります。

(a)正規化角周波数と角周波数(周波数)の関係

(b)サンプリング周波数

 まず、正規化角周波数と角周波数(周波数)の関係ですが、この間には式(1-5)、(1-12)、(1-13)より次の関係式が成り立っています。

ω=ΩΔt=2πfΔt … (1-15)

ω:標本化された信号の正規化角周波数

Δt:サンプリング周期

Ω:標本化される前の信号の角周波数

f:標本化される前の信号の周波数

この式は標本化された信号の正規化角周波数と標本化される前の信号の角周波数及び周波数の関係を示しており、正規化角周波数から標本化される前の実際の角周波数もしくは周波数を求める際に利用され、非常に重要な役割を果たします。

次にサンプリング周波数に関してですが、サンプリング周期の逆数

=1/Δt … (1-16)

をサンプリング周波数(f)と呼び、正規化角周波数でサンプリング周波数を表した正規化サンプリング角周波数(ω)は

ω=2πfΔt=2π … (1-17)

と表されます。従って、式(1-17)より正規化サンプリング角周波数は、サンプリング周期がどのような値であっても必ず2πの一定値になります。これは、正規化した標本化関数とはサンプリング周期で正規化したものであることからも納得できると思います。

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