画像処理の基礎講座(目次)  画像処理・画像解析ソフトPopImagingの紹介

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1.画像の周波数特性の基礎

1-7.負の角周波数を持つ波形について

画像の周波数特性を検討する際、負の角周波数を持つ波形というものが出てきます。角周波数(Ω)と周波数(f)の間には式(1-9)

Ω=2πf … (1-9)

の関係がありますので、負の角周波数を持つということは負の周波数を持つと考えることもできます。そこで、周波数を単位時間当たり(もしくは単位長さ当たり)の一周期分の波形の個数と考えると、負の周波数を持つ波形というものは直感的に理解し難いものとなります。ここでは、負の角周波数を持つ波形とはどのようなものかということについて考えて見ます。

そこで、まず角度(rad)を変数とした三角関数について考えてみます。

 図1-13 sin(-θ)

図1−13に示すように、−θに対する正弦関数に関して

sin(−θ)=−sin(θ) … (1-37)

という関係が成立しますので、sin(θ)とsin(−θ)の波形は図1−14のようになります。

図1-14 sin(-θ)の波形

この図より、sin(−θ)の波形はsin(θ)の波形の位相がπ(180゜)だけずれたものとみなすことができます。これは、次の式で表すこともできます。

sin(−θ)=sin(θ+π) … (1-38)

ここまでは、角度を変数とした正弦波について考えてきましたが、次に角周波数で正弦波を表した場合について考えて見ます。負の角周波数(−Ω)を持つ波形

v=sin(−Ω・x) … (1-39)

は、角度を変数とした正弦波の場合と同様、図1−15のように表されます。

図1-15 sin(-Ω・x)の波形

この場合も同様に、負の角周波数(−Ω)を持つ正弦波は角周波数(Ω)の正弦波の位相がπ(180゜)だけずれたものとみなすことができます。このように、負の角周波数を持つ波形であっても、角周波数に関しては正の値で考えれば良いことが分ります。

図1−16に負の周波数特性を持つ画像の例を示します。

図1-16 負の角周波数を持つ画像

この図からも、負の角周波数を持つ画像であっても、その相対的な変化量は正の周波数を持つ画像と変わらず、ただ、波形の位相のみがπ(180゜)だけずれているということが分ります。

本節の一番最初に角周波数を式(1-9)の形式で定義しましたが、1−1節で述べたように、角周波数を角速度(単位円上を移動する点の速度)と考えると、このことは直感的に理解し易いと思います。すなわち、負の角周波数とは負の角速度のことなり、負の角速度は単位円上を同じ速さで反対方向に動くことを意味します。同じ速さで移動するということは、正の角速度も負の角速度(すなわち、正の角周波数も負の角周波数)もその相対的な変化量は変わらず、反対方向に移動するということが位相のずれになって表れてくるということになります。

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