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2.複素数の基礎

2-5.eiθとは

複素数ではeiθという表現が良く用いられます。そこで、ここではeiθとはどういうものなのかということについて簡単に述べておくことにします。

iθは指数関数になっていますので、指数関数の性質についてまとめてみます。指数関数

y=a…(2-24)

は次に示す指数法則を満たす関数として定義されます。

(1)変数(x)の和→変量(y)の積

(x1+x2)=ax1x2 … (2-25)

(2)変数(x)のn倍→変量(y)のn乗

nx=(a … (2-26)

この指数法則は、y=f(x)とすると一般に次のような形で表現できます。

(1)変数(x)の和→変量(y)の積

f(x+x)=f(x)f(x) … (2-27)

(2)変数(x)のn倍→変量(y)のn乗

f(nx)={f(x)} … (2-28)

次に指数関数の微分について考えてみます。指数関数の微分は、微分の定義式より

式2-29

で求められます。この時

式2-30

であれば、微分の取り扱いが非常に簡単になります。そこで、式(2-30)を満たすaの値をeと定義します。

式2-31

従って、eの指数関数

y=e… (2-32)

の微分は

dy/dx=e … (2-33)

となります。更に指数関数

y=ekx… (2-34)

の微分は 

dy/dx=k・ekx …(2-35)

で得られます。このことからeの指数関数は次の微分方程式を満たしていることが分かります。

(1)f(x)=e

df(x)/dx=f(x),  f(0)=1 … (2-36)

(2)g(x)=ekx

dg(x)/dx=k・g(x),  g(0)=1 … (2-37)

また逆に、このような微分方程式を満たす関数がeの指数関数と定義することもできます。この微分方程式は、

「変量:f(x)の変化速度:df(x)/dxは変量:f(x)に比例する」

という性質を表しており、生物学的には生長(いわゆるねずみ算)、経済学的には複利、社会学的にはマルサスの法則と呼ばれ、非常に重要な性質となっています。

そこで、複素数zの極座標表現

z=r(cosθ+i・sinθ)

において

f(θ)=(cosθ+i・sinθ) … (2-38)

とし、このf(θ)の性質について検討してみます。まず、複素数の乗法より

f(θ)f(θ)=cos(θ+θ)+i・sin(θ+θ)=f(θ+θ) … (2-39)

f(θ)=(cosθ+i・sinθ

f(θ)=(cosθ+i・sinθ

が得られ、また乗法を繰り返し行うことによって

{f(θ)}=cos(nθ)+i・sin(nθ)=f(nθ) … (2-40)

が得られます。従って、式(2-38)は指数法則を満たしていることが分かります。また、f(θ)を微分すると

df(θ)/dθ=d(cosθ+i・sinθ)/dθ

=−sinθ+i・cosθ

=cos(θ+π/2)+i・sin(θ+π/2)

=f(θ+π/2)

=f(θ)f(π/2)

=i・f(θ)                … (2-41)

となり、かつf(0)=1となるので、f(θ)は式(2-37)で示す微分方程式の解となることが分かります。従って、

f(θ)=eiθ

が得られ、

iθ=cosθ+i・sinθ … (2-42)

と表すことができます。この式はオイラーの公式と呼ばれ、複素数における重要な公式の1つであり、複素数の範囲では三角関数と指数関数は1つに統合して扱うことができることを示しています。オイラーの公式を用いると複素数zは

z=reiθ …(2-43)

という指数関数の形で表すこともできます。この表現を用いると、共役複素数は

C(z)=re-iθ … (2-44)

となり、乗算及び除算は

=ri(θ1+θ2) … (2-45)

/z=(r/r)ei(θ2-θ1) … (2-46)

=riθ1

=riθ2

と表せます。このように指数関数の形式で複素数を表現すると除算や乗算を単純に表すことが可能となります。

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